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牧場の求人昔の身分制度のなごりを残す業務がある可能性

 江戸時代、日本には身分制度がありました。最も身分が高かったのは、侍です。現在で言う公務員、政治家です。次いで身分が高かったのは農民です。米をつくり、収穫時に収穫物を国に納める、現金収入の少ない、労多くして益の少ない職業ですが、侍に次ぐ身分を与えられていました。三番目に身分が高かったのが、職人。大工職人、革細工職人、着物職人などです。江戸時代は、日本は鎖国していたため、物資の輸出、輸入が行われておらず、民の衣食住は質素でした。このため「海外から輸入した宝石を加工する宝石職人」という職業は表向きありませんでした。あっても、メノウやサンゴなどの国産の宝石のみでした。その下が商人です。農民や職人が手間暇かけてつくったものを「高い値段をつけて売り、私腹を肥やす行為」が、卑しいという考えでした。

 さて、侍、農民、職人、商人の下に、被差別階級という人達がいました。被差別階級の人達が生業にしていたのが、牛や豚や鶏などの動物肉の加工です。牛や豚や鶏などの動物の肉は、身分制度の元では口にしてはいけない物でした。牧場の求人というと、牛や馬に囲まれて大自然の中で暮らす、おだやかなイメージがあります。求人広告に応募して、見事内定を勝ち取ってから最初の数年は、牛の乳搾り、鶏卵の仕分け、干し草の仕分け、ドライバーといった、いかにも牧場らしい花形業務を任されるかもしれませんが、何年も経って慣れると、牧場の動物の排泄物の処理や、食肉の加工、食肉の出荷といった、過酷な労働を強いられるかもしれません。牧場への就職は、その昔、被差別階級の人達が生業にしていた過酷な労働を、自らの手で行う可能性があることを、頭の隅に置いておきましょう。

 身分制度が撤廃された理由は、商人、被差別階級の「卑しい」と言われる人々が、侍よりも経済力や技術を持つようになり、資産を隠しきれなくなったからです。「牛の皮でつくったバッグ」が高値で売れるようになった。手柄は侍ではなく「つくった人」にあります。なんでも手柄を侍や農民の物にするのが年月と共にキツくなってきたわけです。儲けが薄いのに激務である農民に「下には下がいる」と思わせれば、真面目に働くうえ、米や税金を真面目に納めるからいうシステムでした。この身分制度が無くなった理由は、様々な矛盾による身分の変動です。動物肉を加工する途中の段階で、動物の皮が手に入ります。動物の皮を加工してバッグにすれば、高級品として売れるようになってしまいました。皮を加工する仕事をしているのが職人。売る仕事をしているのが商人です。肉を加工する仕事をしているのが被差別階級の人達です。「卑しい」と位置付けられていた、被差別階級の人達の「卑しいお仕事」なしには、日本が回らなくなってしまいました。商人や被差別階級の人達の方が、現金収入が多くなってしまい、明治維新と共に鎖国を撤廃したため、身分制度は無くなりました。食肉の加工は、毎日が牛や豚や鶏の生き死にです。それが、毎日の作業工程の中に組み込まれています。そのため、長年生業としている人達は、ギスギスした性格をしている人が多いわけです。牧場で働くということは「自分がその仕事をする可能性がある」ことを覚えておきましょう。

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